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異邦の騎士
2009-08-11 Tue 03:18
異邦の騎士 (講談社文庫)





 島田荘司による長編ミステリ。吉本新喜劇の内場勝則(関西人にはなじみのある名前)が、島田荘司の大ファンだということから興味を持ち、読んでみました。

 以下、一部ネタバレ。

 記憶を失った主人公(石川敬介)は、高円寺で偶然に出会った良子と二人、ささやかながら幸せな暮らしを始める。敬介は、自らの過去が気になりつつも、今の生活を壊したくないという思いから、積極的に過去を探ろうとはしなかった。そんなとき、ふと立ち寄った占星学教室で、御手洗潔に出会う。

 記憶喪失を扱った物語で、ここまで楽しめたのは初めてかもしれないです。前半は、過去の自分が一体何者なのかを探るミステリとなっており、中盤の日記のあたりでは、手に汗握るクライムノベルとなっています。中盤あたりから、大体オチが読めてきますが、そこはご愛嬌ということで。
作者は、情熱的な方なのだろうと思います。愛とか愛情という言葉が頻出し、主人公はそれに苦悩します。また罪を犯した後の人間の心理も、細かく描けており、全体的に熱い(登場人物の心理に抑揚がある)作品だなという印象です。

 本作の執筆が開始されたのは1979年となっており、島田荘司の事実上の第一作らしいです。その後しばらく、本人からも忘れ去られていたが、1988年に手直しを加え、世に出ることとなったそうです。デビュー前に着手した本作は、若い著者の心情を反映しているためか、登場人物のストレートな心理が特徴的です。きっと、20代くらいの方が読むと共感できる部分が多いのではないかと思います。
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夏への扉
2009-05-09 Sat 10:51
夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))



 SF小説の巨匠、ロバート・A・ハインラインによるタイムトラベルノベル(←語呂がよい造語)。ハインラインの作品の中でも、特に人気が高いのが本作らしいです。
 SF小説は、高校生のとき読んだフィリップ・K・ディック以来です。

 以下、感想です。(もちろんネタバレの)
タイムトラベルを題材にした本作は、作者の優しげな文章により、子供から大人まで楽しめるエンタテイメントとなっています。
 僕の中でもっとも興味深かったのは、物語を通じて主人公ダンが技術者であることの誇りを捨てなかった点です。ダンみずから会社を興した際にも、共同経営者のマイルズに経営をまかせ、自分は発明に情熱を注ぐ。世事にとらわれず新発明にむかって邁進する姿はなかなかかっこいいではありませんか。ハインラインは、技術士官として海軍に所属していたそうですが、きっと工学の素養があったのだと思います。製図を行うシーンや製品の特許についてリアリティのある描写がなされていました。
 タイムトラベルや冷凍睡眠を使った本作のストーリ展開は、日本の漫画やアニメで大量生産されているせいか、わりと想像できる範囲に収まっているような気がしました。そんなわけで、僕の中では、時空を超えることよりも、ダンの会社がどんどん大きくなっていく過程や、ベルやマイルズの人間模様に面白みを感じました。
 SF小説というと、ハードボイルドで敷居が高そうな作品を想像してしまう僕でしたが、こんな温かみのある作品もあるのだなと思いました。小さい頃には、なかなかこのような本に出会う機会は少ないような気もしますが、とりあえず身近にいる子供には宣伝しておきたいと思います。
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系列
2008-12-11 Thu 01:06
系列 (角川文庫)


 来年から自動車会社に勤めるということもあり、業界研究を兼ねて読んでみました。経済小説の大家、清水一行氏の作品を読むのは、今回が初めて。
 さて、本作は自動車部品メーカの社長・浜岡茂哉とその息子・祥吾が、自動車メーカからの理不尽な要求に対抗する姿を描いたものです。自動車メーカと部品メーカ、いずれも独立した企業だけれども、その収益構造のために、一般的に部品メーカの立場のほうが弱いといわれています。作中の大成照明器(部品メーカ)も例にもれず弱い立場にたたされています。大成は東京自動車(自動車メーカ)に株式をにぎられているものの、21%と経営権を奪われるほどの保有数には至っていない。ところが大成は、全収益のうち50%超を東自車との取引に依存しており、その経営体質のネックをつかれ、大成内の人事についてまで東自車から横槍を入れられる。東自車のゆきすぎる内政干渉については、ぜひとも読んで確かめてほしいです。かなりの誇張はありそうですが。ちなみに東自車は、日産自動車がモデルになっているそうです。

 以下、ネタバレ、および主観的な感想になります。

 完成車メーカのサプライヤ叩きは、確かに自動車業界の闇の一つであると思いますが、あまりにもその点に注力しすぎていて、肝心の自動車の話しがほとんど出てきませんでした。そのためかどうかは分かりませんが、読者を飽きさせないように、息子・祥吾の恋愛話をサイドストーリとして登場させるなどの工夫が見られます。蛇足とまでは言いませんが、本編とはあまり関係がないような気がして少し残念でした。
 作品後半、祥吾が大成内の経営改革をスタートさせるくだりは、すごくワクワクします。祥吾によって大成の独立が達成され、ハッピーエンドで幕が閉じるのかと思っていたけど、残念ながら内部の裏切りにより数ページほどで経営改革はストップしてしまいます。経営改革によるサクセスストーリを展開させることもできたと思いますが、きっと作者の意図で、徹頭徹尾、大成がいじめられるシーンが続きます。
 清水一行氏は、小説家でありつつ、ジャーナリストの精神を持っているのだと思います。大成照明器の社員のみじめな描かれ方は、社会に対する批判を喚起します。エンタテイメントよりもジャーナリズムに比重を置いたことが、本作の成り立ちだといえるでしょう。

 最後に、自動車業界を描いた小説を読むなら、開発現場における葛藤を描いた作品を読んでみたいと思いました。権力闘争や組織を描いた作品は、わりとありふれているような気がします。ぜひとも日本の技術力を小説にしてもらいたいものです。←『系列』のテーマ全否定、身も蓋も無いね笑

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クライマーズ・ハイ
2008-07-27 Sun 00:29


横山秀夫による日航墜落事故を題材にした小説。いきなり感想を言うと、最近読んだ中で最もよく出来た小説だった。
著者自身、墜落事故発生当時、群馬県の地方新聞社・上毛新聞に勤めており、大事件を前にした記者の心理がよく描けている。新聞社の社員全員が、大事件を前にして熱くなるわけではなく、『もらい事故』と冷めた目線で眺めるものも少なくない。そんな中、日航全権を任された主人公悠木は、上司とぶつかりあいながらも、日航記事を大きく取上げようと奮闘する。上司も部下も敵にしながら、自分の信念に沿って邁進する姿は、読んでいるものを熱くする。新聞記者の心理をリアルに描くと同時に、悠木という痛快なアンチヒーローをつくりあげるテクニックは、まさにプロフェッショナルと呼ぶにふさわしい。ジャーナリスティックな視点とエンタテイメントが融合された本作のような小説を読むと、やはり作家とは特別な存在なのだなと、思い知らされる。

作品中の舞台の大半は、新聞社のオフィスであるが、家庭における悠木の葛藤も作品に奥行きを与えている。暗い幼少期を送った悠木は、どこか欠落している部分がある。息子を前に、どう接してよいか分からないという悠木の悩みは、おそらくその欠落が起因している。仕事においても家庭においてさえも、安らぐ場所のない悠木だったが、友人・安西の死をきっかけに安西の息子・燐太郎がなついてくる。これをきっかけに悠木は、燐太郎を巻き込んで、息子との壁を壊していこうとする。会社でも家庭でも悩みの尽きない悠木の描写を見、なんとシビアな世界観なのだろうと、読んでて若干へこむこともあった。人生って、やっぱりつらいんだね。

本作の構成は、現在を起点に、過去を回想するというスタイルを取っており、日航墜落事故の臨場感あふれる描写の合間に、現在の悠木の姿が描かれる。難を言えば、ストーリーが盛り上がるところで、突然現在へと場面転換することがあり、リズムが崩れてしまうことが何度かあった。ただ、ラストシーンでは、この構成により過去の伏線がうまく効いており、リズムが崩れるという欠点を差し引いてなお、深い感動を呼んでいる。力作と呼ぶにふさわしい本作は、ドラマ、映画と舞台を変え、熱い人間ドラマを展開しつづけている。
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スメル男
2007-12-24 Mon 13:10
スメル男 (講談社文庫) スメル男
原田 宗典



『十九、二十』読後、原田宗典は只者ではないなとの印象をうけた。ユーモア溢れる文体と、さめた視線の登場人物たちが、僕の好みに合致していたのも一つの理由だろう。


 日常のごくありふれたシーンから始まる『スメル男』は、読み進むうちにだんだんと、話のスケールが大きくなっていく。
 嗅覚を失った主人公は、ひょんなことから都市を覆うほどの強烈な体臭を発しだす。その原因は、実はある企業のたくらみによるものだった。
 作品前半と後半とを比較すると、明らかに雰囲気が違う。わりとコメディチックにはじまる本作だが、後半ではわりとシリアスなエピソードが多く、不覚にも目になみだを溜めてしまった。全体の統一感がない反面、ストーリー展開の意外性はおもしろかった。
 そんなわけで破綻なく400ページという長編を書き上げられたのは、特筆すべき点だろう。巧みに張り巡らされた伏線など、エンターテイメント作家としての技術が、物語を支えていた。

 『スメル男』以降、原田宗典は短編の修練に励む。僕としては、もっと長編を書いてもらいたいところだが、たしかに短編でこそ原田宗典らしさが発揮されるのかもしれない。『スメル男』は中だるみを避けるために、随所に読者を飽きさせないための技巧がほどこされ、作者の苦労の跡が滲みでている。
 しかし短編を書くにあたっては、そういった小説的なしかけが、高い密度で発揮され、かつ重要な場面に集約されるはずである。『スメル男』の後に発表された中篇『十九、二十』は、原田宗典の適性が長編よりも短編であることを物語るひとつの好例だろう。短編、エッセイで活躍する原田氏に今後も注目していきたい。


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野火
2007-08-11 Sat 17:01
野火 (新潮文庫)野火 

大岡 昇平



 文壇有数の骨太論争家として知られる大岡昇平による戦争小説。
フィリピン、レイテ島に派兵された主人公・田村は、野戦病院にて休養中、米軍機からの襲撃を受ける。田村は命からがらその場を逃げ失せ、独り島の中をさまよう。
 極限状態に面した兵隊たちは、エゴイズムを剥きだしにし、味方同士で食料を奪い合う。そして、田村もまた次第に理性を失っていく。
 食料がつき空腹に耐えきれなくなった田村は、狂って死んだ戦友の肉をナイフで切り取ろうとする。しかし、田村の左手がナイフを持つ右手を制す。

 「(比島の女や戦友を)殺したのは、戦争とか神とか偶然とか、私以外の力の結果であるが、たしかに私の意志では食べなかった。」(p176)

神の存在を否定してきた田村は、その是非を省みる。理性がうまく機能しなくなった状況下では、やはり神の存在が必要ではないか、そんな問いかけが見みられる。フィリピンの山中に見られる野火は、その下にいるであろう現地人の存在を暗示し、隊を外れた孤独な田村にとって、命の危険を意味する。

 「しかし銃を持った堕天使であった前の世の私は、人間共を懲すつもりで、実は彼等を食べたかったのかも知れなかった。野火を見れば、必ずそこに人間を探しに行った私の秘密の願望は、そこにあったのかも知れなかった。」(p176)

 人肉を食らうことを意志で制した田村は、天使に昇華した。田村にとって、エゴイズムを制すことのできない他の人間達は懲らしめるべき存在なのである。人肉を猿の肉と偽る安田、松永の姿に、著者の人間に対する悲しげな諦観を感じる。


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アフターダーク
2007-06-23 Sat 23:11
アフターダーク





 なんだかんだで村上春樹の小説をよく読んでいる。
読みやすいというのも一つの理由だが、登場人物の孤独感になんとなく共感できるのが大きな理由かな。
 どの作品の主人公も、社会に溶け込めない。きっと作者自身の実感が登場人物に投影されているのだろう。
 さて、本作の出来の方だが、



残念ながらいまいちだった。

謎という謎をどんどん広げていくが、全く解決しない。
エリは?白川は?携帯電話の声の主は? 主人公の少女にも、感情移入できず、楽しむべきポイントが不明。一体、この小説は何をいいたかったのだろうか。

 そういえば、最近、見たフランソワ・オゾンの映画『スイミング・プール』も、そんな感じだったな。
謎の糸口をたくさん垂らし、ストーリーを観客に想像させる構成が斬新だとかで、かなりの好評価を得ていた。
 僕的には、それがどうしたって感じだけど。

おもしろかった部分といえば、テレビの中の椅子に座る男の姿など、必要以上に細かい状況描写。物語の不気味な雰囲気をつくりだすのに成功していたと思う。さして物語の展開に大きな関わりがあるとは思えない事柄を、これでもかというほど細かく描写するのは、村上春樹の作品の中でよく見かける手法の一つ。

でも、そろそろ飽きてきたかな。
『ねじまき鳥クロニクル』以上の大きな展開を見てみたい。


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価格破壊
2007-06-08 Fri 02:01
価格破壊 価格破壊
城山 三郎



 今は亡き城山三郎氏の痛快経済小説。
くだらない漫画を読んでいるくらいなら、まずはこれを読みなさい!日本にはこんなにおもしろい小説が、あるのだぞ!と声を大にして言いたい。

 本作の主人公矢口は、ダイエーの創業者、中内功がモデルになっている。流通に革命をもたらしたといわれる中内氏の経営戦略を、ダイナミックに描けている。
矢口は、製造業者が製品の価格を決めるべきという再販制度に対抗し、自ら破格の値段を設定し安売りを展開する。商品の価格は、メーカーが決めるべきではなく、小売店が決めるべきだという主張を貫く。

 その主張の背景には、矢口の悲惨な戦争体験がある。食料がなくて困窮していた戦時中、ものが溢れる国を夢見ていた。売って、売って、売りまくって、日本をモノが溢れかえる国にしたかった。

当然メーカーからのいやがらせが連日続く。しかし問答無用に価格破壊を押し進める矢口。

問屋からの接待は、絶対に受けない。

「接待にかけるお金があるのなら、もっと仕入れ値を安くしてくれ」

 と言い放つ。矢口の出店したスーパーの影響で、経営不振に陥った商店の主人が自殺をはかったときも。

「工夫が足りない店はいずれつぶれる」

 と、あっさり受け流す。非情な矢口の言動に、僕自身まゆをひそめつつも、なぜか矢口の姿が魅力的にみえた。手塚治虫による『ブラック・ジャック』も然り、世間から反発を受けやすい性格の主人公が、反発をものともせず、自らの手腕で難局を切り抜けていく姿は、正統なヒーロー像にはない魅力があるものだ。

 ところで流通という特殊なテーマで、矢口がしっかりとヒーローの座を築けているのは、注目すべき点だ。こうしてみると、小説の題材というのは無数にあるように思えてくる。どのような題材でも、作家の技量しだいで、ドラマたりうる作品に仕上げることが可能なのだ。一級のストーリーテラーである城山氏はいうまでもなく。
 本田宗一郎をモデルにした小説なんかあれば読んでみたいな。自動車工学を題材に普遍的なおもしろさを追及するというのは、かなり難易度が高そうだけれど…。


 最後に、青春とは鍛えるためにあるのだ、との名言を吐く矢口の姿に、戦後の復興を支えた日本人の底力を見た。



追記 2008年11月28日(金)

 最近知ったことですが、城山氏は、本田宗一郎をモデルにした『勇者は語らず』という小説をすでに書いているみたいです。全然知らなかった。登場人物を魅力的に描写するのがうまい城山氏にこそ書いてもらいたかった題材だけに、これから読むのがすごく楽しみです。


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イン・ザ・プール
2007-04-16 Mon 23:03
イン・ザ・プール イン・ザ・プール
奥田 英朗 (2006/03/10)
文藝春秋



SF的な症状を持つ患者達が、精神科医伊良部の指示のもと、

闘病する様子を描いた作品。

漫画『ブラック・ジャック』の精神科医版といったところか。

5名の患者が、めいめい伊良部のもとに訪れる5部構成となっている。

プール依存症、陰茎強直症、妄想、etc。

変わった症例が登場するが、どのケースも大体似たようなパターンで

物語は解決に向かう。

ところで、この作品のおもしろさの一つは、伊良部のキャラクター

にある。

伊良部は患者の症状を抑えるどころか、逆に進行するようにしむける。

患者達の症状は悪化の一途をたどり、精神的に追い込まれていく。

それでも伊良部はそしらぬ顔で、適当なアドバイスを続ける。

行動がエスカレートしていく患者の姿は、とても見ていられない。


ちなみに奥田英郎の作品を読むのはこれが初めて。

本作はかなり娯楽志向の高い作品だと思うが、さくっと読めて

なかなか楽しめた。



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文学部唯野教授
2007-02-26 Mon 22:19
文学部唯野教授





 文学部に在籍する唯野教授を軸に、世間離れした大学教授たちの生態を描いた小説。本作は、九章の構成となっているが、各章の後半部では、唯野教授が文学批評の講義を行う。

 大学において、助教授から教授に昇格するなどの際には、教授会で教授達の同意が得られなければならない。このような場面では、教授たちへの周到な根回しが必要となり、学内政治が発生する源泉となっている。このようなどろどろとした大学という閉鎖空間の描写は、本作の一つのおもしろさである。しかし、目玉はなんといっても、唯野教授の文芸批評講義である。

 唯野教授は、印象批評からポスト構造主義まで、幅広い文学理論の概要を噛み砕いて語る。文芸批評に対して、たくさんの理論が存在することを知り、文学の奥深さを感じた。

 特に、第9章「ポスト構造主義」の章において

 
 「こうなってくると、このアメリカの脱構築ってやつ、第二講でやった新批評つまりニュークリと同じで、文学テクストを至福の場所みたいに考えてそこへ後退することなんじゃないのかなあ。その通りです。」 (p300)


 との文章が興味深く、たくさんの先人達が色んな理論を構築してきたのだけれど、結局ははじめ考えた理論に辿り着いたという皮肉な結果を表している。←きっと。

 文学の読み解き方がいかに難しいかを知るとともに、文学あるいは小説が何のために存在するのかということを考えるきっかけとなった。このような問いかけを作家自身が、しかも作中で行ったという点は、注目に値する。

 小説に対して人々が求める価値は様々であるが、人々が各人各様の価値を小説に感じるかぎり、小説は存在し続けると僕は思う。


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kkaazz2000

Author:kkaazz2000
技術系。神奈川在住。

歴史から消えつつあるカルト映画たち。さもありなんという作品から、なぜこれがという作品まで。そんな不可思議な世界にはまりつつある今日この頃です。

 
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