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ハゲタカ
2008-03-16 Sun 04:50
s-hagetaka.jpg


制作年度 2007年
制作 NHK
演出 大友啓史、井上剛、堀切園健太郎
原作 真山仁
脚本 林宏司
音楽 佐藤直紀
出演 大森南朋、 松田龍平、 栗山千明、 柴田恭兵


NHK土曜ドラマとして2007年に放送された話題作。真山仁の経済小説を原作とした本作は、イタリア賞ほか数々の栄誉に輝いている。タイトルのハゲタカとは、バイアウト・ファンドを指す。

<以下、ネタバレ注意>

三葉銀行のエリート社員芝野は、元部下の鷲津に再会する。鷲津は、三葉銀行退職後、外資系ファンドの代表を務め、日本企業の買収売却を繰り返す。案件ごとに顔を合わす二人であったが、芝野は無情な鷲津のやり方に敵対心を抱く。マスコミからも批判を浴びる鷲津であったが、鷲津の関わった企業が、密かに業績の好転を見せはじめ・・・。

放送までに100回近く改稿を重ねたといわれる脚本は、意外性が満載だ。
まず、第一話のオープニングシーンに驚く。プールに紙幣が浮いているのを発見した子供達は、我先にと拾い上げていく。その後、子供達は店頭に走り、プラモデルなどを次々に購入していく。これから始まる物語、特に金に翻弄される人間の姿を、示唆するシーンだ。金に目がくらむ子供達の姿は、なんともグロテスクだが、昨今の映像作品では見た記憶が無い新鮮なシーンだ。

s-ハゲタカ


特筆すべきは、臨場感溢れる買収合戦の現場を描いたシーンだろう。手持ちカメラによる撮影で、買収の裏側がまるでドキュメンタリーのようにリアルに描かれる。都銀と外資系ファンドが次々と買収方策を企てる様子は、興味に尽きない。
ところで、大空電機買収のエピソードでは、ITベンチャー企業が登場し、一連のライブドアの報道と酷似した展開となっている。事実は小説よりも奇なりというが、ライブドアの一連の報道が、ドラマのネタになり得るほどおもしろい、ということの証左だろう。僕としては、もっとオリジナリティを押し出してもらいたかったが、これはこれで分かりやすくて良かったのかもしれない。

経営現場のリアルな描写に加え、芝野と鷲津の対立を描いた人間ドラマにも目が離せない。物語の進展とともに、鷲津の目論見が、単なる営利だけにとどまらないことが、明らかになってくる。鷲津が悪から正義へと、立場が変っていくさまは絶妙だ。注目すべきは、鷲津の仕事の姿勢が、第一話から変化せず常に一貫している点だ。芝野とともに視聴者も、鷲津を単なるハゲタカだと誤解していたことに気づかされる。これも脚本の勝利だ。
脚本に加え、大友啓史、井上剛、堀切園健太郎ら演出陣の活躍にも触れておきたい。特に第二話における、雨の中の芝野と西野のシーンが印象的だった。これは井上剛氏の演出による。彼は、きっと映画監督としても活躍できる気がする。ちなみに現在、井上氏は、朝ドラ『ちりとてちん』の演出も行っている。

最後に、ITベンチャーを虚業だと吐き捨てる鷲津の姿は、見ていて気持ちがよかった。NHKのニュースでは、恐らく制限される発言だろうが、ドラマにおいては容認されているようだ。ドラマはジャーナリズムの一種だと、元NHKディレクターの和田勉が言っていたと思うが、本作も投資ファンドの実態を立体的に描いてみせた点で、ジャーナリズムとなり得る気がした。
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タイガー&ドラゴン
2007-12-09 Sun 02:08
tigerdoragon.jpg


放映年度 2005年
制作 TBS
脚本 宮藤官九郎
監督 金子文紀
出演 長瀬智也、岡田准一、伊東美咲、塚本高史、蒼井優、
    阿部サダヲ、西田敏行、笑福亭鶴瓶


 いまさらというようなドラマを引っ張りだして見ています。
しかし、クドカンは、やっぱりすごいな~。古典落語のネタを生かしつつ、現代風にアレンジしたストーリーは新鮮だ。
 とはいっても落語のネタと実際に起きた事件が錯綜する複雑な構成に、はじめは少々戸惑いを覚えた。物語を完全に理解しようとするならば、2、3度視聴すべきだが、分からないところは流して、分かるところだけ追っていっても、十分楽しめる。
 そんなわけで、テレビドラマとしては、かなり挑戦的だったのではないだろうか。

 オチがバシッと決まっている回もあれば、なんかイマイチだなと思うような不完全燃焼の回もある。最終回に近づくにつれ、それ落語じゃなくね?ってな回もあった。しかし、そこらへんの破綻を差し引いても、人情溢れる物語はなかなか深みがあり、う~むとうならされることしばしば。
 個人的には、「小虎と銀次郎」、「小虎と師匠」の関係が粋で、感動のあまり何度かため息をもらした。

tigerdoragon2.jpg


 ところで、落語がテーマのドラマとして、この秋から『ちりとてちん』(朝ドラ)が始まった。『タイガー&ドラゴン』とは、方向性が異なるが、これまた優れたドラマである。『タイガー&ドラゴン』が演劇的にノリで笑わせていたのに対し、『ちりとてちん』はセリフのひねりで、笑いをとる。後者のほうが、きっと幅広い世代にうけることだろう。コメディの質という点では、『ちりとてちん』の方が一枚上手といえるか。
 しかし、いずれのドラマも題材をよく研究しているようで、素人から見ても、落語の世界って奥が深いんだな~と感じた。
 挑戦的なクドカンの作品に今後も注目していきたい。


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 機械材料加工学Ⅱ 

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kkaazz2000

Author:kkaazz2000
技術系。神奈川在住。

歴史から消えつつあるカルト映画たち。さもありなんという作品から、なぜこれがという作品まで。そんな不可思議な世界にはまりつつある今日この頃です。

 
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