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あなただけ今晩は
2007-02-28 Wed 19:18
billy_wilder.jpg


製作年度 1963年
上映時間 146分
監督 ビリー・ワイルダー
出演 ジャック・レモン 、シャーリー・マクレーン 、
    ルー・ジャコビ 、ハーシェル・ベルナルディ 、
    ホープ・ホリデイ 、ポール・デュボフ

 お気に入りの映画監督、ビリー・ワイルダーのコメディ。思えば、彼の映画には大いに楽しませてもらってきた気がする。

『サンセット大通り』
『アパートの鍵貸します』
『失われた週末』
『恋人よ帰れ!我が胸に』
『麗しのサブリナ』
『お熱いのがお好き』
『七年目の浮気』などなど。

 かれの生み出した名作たるや、枚挙にいとまがない。これだけたくさん撮ってて、はずれが無いのはもはや神業。
 さて本作である。『愛と追憶の日々』のシャーリー・マクレーンは、本作では娼婦に扮しジャック・レモンの相手を務める。おなじみのジャック・レモンは、シャーリーのヒモ役であり、彼女を喜ばせようと隠れてお金を稼ぐ。
 昔のコメディは、今見ると、たいていおもしろくないものだが、彼の作品では時々吹いてしまうことがある。上品でありつつ、普遍的なギャグは、時代を超えて観客のツボをおさえるのだろう。うん、男爵に変装する姿、なかなかおもしろかった。
 それにしても、秘密がばれないように苦労を重ねるジャック・レモンの姿は、まさに漢「おとこ」と呼ぶにふさわしい。
↑大袈裟か。
 何をしていてもかわいいシャーリー・マクレーンも魅力的だが、ジャック・レモンの魅力も大いに見所である。
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文学部唯野教授
2007-02-26 Mon 22:19
文学部唯野教授





 文学部に在籍する唯野教授を軸に、世間離れした大学教授たちの生態を描いた小説。本作は、九章の構成となっているが、各章の後半部では、唯野教授が文学批評の講義を行う。

 大学において、助教授から教授に昇格するなどの際には、教授会で教授達の同意が得られなければならない。このような場面では、教授たちへの周到な根回しが必要となり、学内政治が発生する源泉となっている。このようなどろどろとした大学という閉鎖空間の描写は、本作の一つのおもしろさである。しかし、目玉はなんといっても、唯野教授の文芸批評講義である。

 唯野教授は、印象批評からポスト構造主義まで、幅広い文学理論の概要を噛み砕いて語る。文芸批評に対して、たくさんの理論が存在することを知り、文学の奥深さを感じた。

 特に、第9章「ポスト構造主義」の章において

 
 「こうなってくると、このアメリカの脱構築ってやつ、第二講でやった新批評つまりニュークリと同じで、文学テクストを至福の場所みたいに考えてそこへ後退することなんじゃないのかなあ。その通りです。」 (p300)


 との文章が興味深く、たくさんの先人達が色んな理論を構築してきたのだけれど、結局ははじめ考えた理論に辿り着いたという皮肉な結果を表している。←きっと。

 文学の読み解き方がいかに難しいかを知るとともに、文学あるいは小説が何のために存在するのかということを考えるきっかけとなった。このような問いかけを作家自身が、しかも作中で行ったという点は、注目に値する。

 小説に対して人々が求める価値は様々であるが、人々が各人各様の価値を小説に感じるかぎり、小説は存在し続けると僕は思う。


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一般書籍 著者別50音順
2007-02-25 Sun 12:11
あ行  大岡昇平  野火
     太田光、中沢新一 憲法九条を世界遺産に
     大森望、豊崎由美 文学賞メッタ斬り!
     岡田斗司夫  ぼくたちの洗脳社会
     奥田英郎  イン・ザ・プール
か行  鎌田慧  自動車絶望工場 ある季節工の日記
さ行   島田荘司  異邦の騎士
     島田雅彦  僕は模造人間
     清水一行  系列
     城山三郎  価格破壊
た行  高木徹  戦争広告代理店
     竹内久美子  そんなバカな!遺伝子と神について
     竹内淳  高校数学でわかるシュレーディンガー方程式
     筒井康隆  文学部唯野教授
な行  長井勝一  「ガロ」編集長
は行  原田宗典  十九、二十
             スメル男
     遥洋子  東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ
     半藤一利  清張さんと司馬さん
     廣宮孝信  TPPが日本を壊す
     細野真宏  カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよくわかる本 世界経済編
ま行  牧太郎  新聞記者で死にたい
     村上春樹  アフターダーク
     村上龍  愛と幻想のファシズム
や行  柳田邦男  犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日 
     山本周五郎  さぶ
     横山秀夫  クライマーズ・ハイ
ら行  ロバート・A・ハインライン  夏への扉
わ行

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漫画 作品名別50音順
2007-02-25 Sun 11:18
あ行  アドルフに告ぐ 手塚治虫
か行  神の左手悪魔の右手 楳図かずお
さ行  櫻の園 吉田秋生
た行
な行  ナニワ金融道 青木雄二
     猫楠 水木しげる
は行
ま行
や行
ら行
わ行

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日本映画 作品名別50音順
2007-02-25 Sun 10:21
あ行  あの夏、いちばん静かな海。  北野武
か行  キサラギ  佐藤裕市
     嫌われ松子の一生  中島哲也
     空中庭園  豊田利晃
     蜘蛛巣城  黒澤明
     クレージー黄金作戦  坪島孝 、和田嘉訓
     恋する日曜日 私。恋した  廣木隆一
     殺しの烙印  鈴木清順
さ行  櫻の園  中原俊
     さくらん  蜷川実花
     沙耶のいる透視図  和泉聖治
     下妻物語  中島哲也
     青春の殺人者  長谷川和彦
     選挙  想田和弘
     それでもボクはやってない  周防正行
た行  大日本人  松本人志
     田園に死す  寺山修司
     天然コケッコー  山下敦弘
     どろろ  塩田明彦
な行
は行  パコと魔法の絵本  中島哲也
     ハッピーフライト  矢口史靖
     腑抜けども、悲しみの愛を見せろ  吉田大八
     フラガール  李相日
     兵隊やくざ  増村保造
     包帯クラブ  堤幸彦
ま行
や行  ゆれる  西川実和
ら行  ロボコン  古厩智之
わ行

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外国映画 作品名別50音順
2007-02-25 Sun 10:12
あ行  愛と追憶の日々  ジェームズ・L・ブルックス
     あなただけ今晩は  ビリー・ワイルダー
     エルゾンビ 死霊騎士団の覚醒  アマンド・デ・オッソリオ
か行  カサンドラ・クロス  ジョルジ・パン・コスマトス 
     華氏451  フランソワ・トリュフォー
     救命艇  アルフレッド・ヒッチコック    
     キリング・フィールド  ローランド・ジョフィ
さ行   サムライ  ジャン=ピエール・メルヴィル
     深海からの物体X  アル・パッセリ
     地獄の黙示録  フランシス・F・コッポラ
     ゼイリブ  ジョン・カーペンター
     セント・エルモス・ファイアー  ジョエル・シューマカー
た行   007/カジノロワイヤル  マーティン・キャンベル
     地下鉄のザジ  ルイ・マル
     血を吸うカメラ  マイケル・パウエル
な行  ナチョ・リブレ 覆面の神様  ジャレッド・ヘス
は行  灰とダイヤモンド  アンジェイ・ワイダ
     バタリアン  ダン・オバノン
     フランケンフッカー  フランク・ヘネンロッター
     プレイタイム  ジャック・タチ
     ホステル  イーライ・ロス
     ホテル・ニューハンプシャー  トニー・リチャードソン
ま行
や行
ら行  レッズ  ウォーレン・ベイティ
わ行
英数  21g  アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ

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テレビドラマ 作品名別50音順
2007-02-25 Sun 10:00
あ行
か行
さ行
た行  タイガー&ドラゴン 宮藤官九郎
な行
は行  ハゲタカ 林宏治
ま行
や行
ら行
わ行
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僕は模造人間
2007-02-24 Sat 23:56
3251847296.jpg

僕は模造人間 / 島田 雅彦

一風変わった青春小説。果たして青春と銘打ってよいものか。

じめじめ、ねちねちとした性格の主人公、亜久間一人(あくまかずひと)

が、物語をとおして、じめじめ、ねちねちと独白を重ねる。

常軌を逸した主人公の人間性に、何度かついていけなくなってしまった

が、怖いもの観たさのような好奇心が、僕を最後のページまで運んで

くれたようである。

ところで、模造人間とは何だろうか?

本文では、


 (以下、亜久間一人の独白)

 僕は亜久間一人が何者なのか理解できてしまった。

 もはや、亜久間一人は謎でも何でもない。

 あいつは、他人の体や思考回路を複写する機械なのだ。

 人間は<僕>や<私>という部分と亜久間一人とか三島由紀夫といった

 模造人間の部分とが強引に合成されたものだ。(p183)


との記述がある。

模造人間とは、「外部から影響を受けてできあがった人格の一部」と

推察できる。タイトルだけ読むと、アイデンティティーを問う物語に

見えるが、この小説の主人公、亜久間一人は、そのような健全?な考え

を持たない。

むしろ模造人間の自分を積極的に受け入れ、その様子を自ら楽しんで

さえいる。

この奇妙な青年の姿が、ひとごととは思えず、僕自身、内面を鑑みる

に、模造人間の存在に気づく。

それに何の疑問も抱かない僕こそ、きっと模造人間に違いない。

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新聞記者で死にたい
2007-02-23 Fri 23:12
新聞記者で死にたい―障害は「個性」だ 新聞記者で死にたい―障害は「個性」だ
牧 太郎 (1998/04)
中央公論社



やり手の週刊誌編集長、

思わぬときに「地雷」を踏んだ。

脳卒中である。

言葉が出ない。

会社の席が気になる。

男の頭にちらつくは、死の誘惑。


著者の仕事への情熱がひしひしと伝わる作品。

大きな情熱を傾けてきたからこそ、

仕事ができなくなったときの落胆は計り知れない。

同じ病院に入院していた弁護士は、外泊が許されたとき、

死を選ぶ。

著者はそれでも記事を書き続け、自由とは何かを

改めて問う。

ところで、著者は地下鉄サリン事件が発生する前から、

オウムの奇行に関する記事を執筆していた。

その記事を巡って、オウムからのいやがらせが

連日続いていたのだが、著者が倒れたのはそんなときだった。

入院中、身動きのできない著者は、常にオウムの強襲に身構える。

これほどの覚悟がないと仕事が務まらないのかと、

暴力に屈さない著者の姿勢に頭が下がる。

外からも内からも、迫り来る障害。

それを乗り越える著者のバイタリティは何ものにも代えがたい。

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どろろ
2007-02-23 Fri 00:35
どろろ1

製作年度 2007年
上映時間 138分
監督 塩田明彦
脚本 NAKA雅MURA 、塩田明彦
原作 手塚治虫
出演 妻夫木聡、柴咲コウ、 瑛太、原田美枝子、杉本哲太、
    麻生久美子、 土屋アンナ、劇団ひとり、中村嘉葎雄 、
    原田芳雄 、中井貴一

以下ネタバレ。

ってかこのブログ、基本ネタバレです。ご注意を。

 48個にのぼる体のパーツを取り戻すため、主人公百鬼丸が化け物たちと闘うアクション快作。
まずは、大迫力のCGにびっくり。次から次へと登場する化け物が、この上なく醜悪なのだが、これは監督の趣味なのだろうか?
 物語中盤、次々と化け物をやっつけるシークエンスシーンがあるが、三番目くらいに登場する化け物は、完全に着ぐるみで、なんかウルトラマンに出てきそう。

 ちなみに、映画「どこまでもいこう」の地味なイメージは、微塵も感じられず、「監督、ふっきれたな」という感じだ。
 アクションシーンが多いが、ワンパターン気味なので若干ダレ気味。アクションは迫力と斬新さが命。ちょっとやそっとの工夫だけじゃ、目の肥えた観客を納得させることはできない。
 手塚治虫の作品のように、登場人物の内面にもっと迫ってほしかった。
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灰とダイヤモンド
2007-02-22 Thu 10:39
cybulski.jpg


製作年度 1957年ポーランド
上映時間 102分
監督 アンジェイ・ワイダ
原作 イェジー・アンジェイエフスキー
出演 ズビグニエフ・チブルスキー 、エヴァ・クジジェフスカ 、
    バクラフ・ザストルジンスキー


第二次世界大戦末期ポーランド。
テロリストのマチェックは、暗殺指令を受ける。標的は、ソ連共産地区委員長。
分別がつくかつかないかというぐらいの歳の青年は、大義や革命といったものに闘志を燃やしやすいものなのかもしれない。
さかのぼれば、2・26事件で犬養毅を暗殺した青年将校達、安保闘争で血を流した学生達などなど、日本でも幾例か挙げられる。
ここに登場するマチェックもまた、大義という幻想に支配されている。
しかし、バーで出会った女性と恋におち、彼は現実的な幸せに直面する。
次第に、暗殺に疑問を抱きはじめるマチェック。
大義と人道の狭間で揺れ動く青年の苦悩が、美しい映像とともに綴られる。

wajda04.jpg


終始、監督の美的センスに脱帽。
終盤、干された白布の中を逃げ回る青年の姿は、目に焼き付いて離れない。銃に撃たれのたうち回る姿は、大義の空しさに気づきつつある青年の苦悩と重なり、筆舌に尽くし難いせつなさを漂わせていた。


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十九、二十
2007-02-21 Wed 15:18
十九、二十(はたち) / 原田 宗典

山崎少年、十九歳。

父は借金をつくってひきこもる。

帰省の電車賃だけでも稼ぎたい。

少年がみつけたバイトはエロ本出版社だった。


二十歳を過ぎると、たまに十代の気分を思い出したくなる。

そんなとき手に取るのが、本書のような青春小説である。

本書は山崎少年の十代最後の夏を、甘くかつ苦く描く。

十九、二十歳という年齢は、人にとって特別な時期なのかもしれない。

傷つきやすいが、いくら傷つけられてもへこたれない。

そんなバイタリティーがあるのが、この年齢ではないか。

この夏味わった山崎少年の苦味、決して無意味ではないのだと

思わずにはいられない。



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華氏451
2007-02-21 Wed 13:48
451.jpg


製作年度 1966年
上映時間 112分
監督 フランソワ・トリュフォー
原作 レイ・ブラッドベリ
出演 オスカー・ウェルナー 、ジュリー・クリスティ 、
    シリル・キューザック 、アントン・ディフリング 、
    ジェレミー・スペンサー


フランソワ・トリュフォー監督のSF映画。

時は未来。
 あらゆる知識や情報はテレビによって伝えられ、そのとおりに行動すれば平和な生活ができると信じられている。よって読書は反社会的とみなされ禁じられている。本の所有が発覚すると、消防車が駆けつけ、たちまち本を燃やしにかかる。
 華氏451度は、本が自然発火する温度である。

冷静に見れば、バカ映画。

 映画が描こうとしたテーマはなんとなくわかるが、これほどに寓話的すぎるとあまりに現実味に欠け、物語に没入できなかった。原作は、SF作家のレイ・ブラッドベリ。テレビによる文化の破壊を描きたかったらしい。とりあえず、『ブレードランナー』ほどには美術に凝っていず、SF作品でありながらビジュアルはきわめて現代的である。

ラストシーンは、結構意外。
トリュフォーの本好きが垣間見れた気がした。


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戦争広告代理店
2007-02-20 Tue 22:20
ドキュメント 戦争広告代理店 ドキュメント 戦争広告代理店
高木 徹 (2005/06/15)
講談社

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米PR会社のメディア戦略により、ボスニア紛争の戦況が

大きく変わる瞬間を描いたドキュメンタリー。

セルビア人との紛争が激しさを増す中、

ボスニア外相は助けを求めて飛び立った。

向かった先は、米大手PR会社。

メディアを武器に、宿敵セルビアに悪のレッテルを貼り付ける。

国際世論を味方につけたボスニアは、ついにアメリカを動かす。

ボスニアのメディア戦略に対抗し、セルビアが起用したのは、

アメリカ在住セルビア人パニッチ。

多くのPR会社に支援を求めるパニッチだったが、

ことごとく支援を断られる。

悪玉セルビアのイメージはすでに深く浸透していた。

時はすでに遅かった。


本書では、メディアが戦争の勝敗を左右しうるのだという

衝撃的な提言を行っている。

情報には疑ってかかるべきだという考えは、「あるある~」の事件

もさることながら、すでに広まっている。

しかし、戦争のような規模の大きいものにまで影響を与えるという

事実は、案外知られていないのではないか。

このボスニア紛争での教訓を生かす場は広い。


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さぶ
2007-02-20 Tue 21:09
さぶ
著 山本周五郎
新潮社(1965/12)


江戸の職人、栄二は無実の罪により捕らえられ、石川島にて労役の

義務を負わされる。

罪をかぶせられた栄二は、世間が信じられなくなり、口を固く閉ざす。

幼なじみのさぶは、彼の元に何度も足を運び励まし続ける。

石川島の仲間たちと、触れ合う中で栄二は大きく成長する。

タイトルは、「さぶ」だが、主人公は間違いなく栄二だ。


石川島というのは、罪人たちの寄り場である。そこでは、労役の

義務を負わされ、各々気に入った仕事を選んで働く。

これは、釈放後の社会復帰を想定している。

江戸時代に、こんな複雑なシステムが本当につくれたのかなと、

意地の悪い僕は疑ってしまうが、それはおいといて、

栄二の成長の場として、この石川島を選んだのは絶妙だ。

栄二と同じように、世間から傷を負わされたもの、

欺かれた者、色んな人間がそこに集まって共同生活を行う。

このような仲間に囲まれて、栄二は次第に心を開いていく。

簡潔な文体ながら、登場人物のセリフがずしっと響く。

いつの時代でも、悩む事柄は似ているのだなと感じた。


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007カジノロワイヤル
2007-02-20 Tue 00:01
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製作年度 2006年
上映時間 144分
監督 マーティン・キャンベル
出演 ダニエル・クレイグ 、エヴァ・グリーン 、
    マッツ・ミケルセン 、ジュディ・デンチ 、
    ジェフリー・ライト 、ジャンカルロ・ジャンニーニ

年末に見ました。主人公が体育会系すぎて、ちゃんとボンドにみえるのかよと心配しておりましたが、意外にいけていました。


以下ネタバレ注意。


 相変わらず、お洒落なオープニングで始まった後は、息もつかせぬド迫力のアクションシーンの連続。はじめの15分で十分映画に満足しました。ごちそうさま。カジノのシーンはまあまあ。特に目新しい演出もなく。
 中盤から後半にかけては、あの百戦錬磨のボンドがいとも簡単に騙されつづけます。挙句の果てには仕事をやめたいといいはじめる。これは笑わずにはいられなかった(笑)ボンド、いったいどうした?

 このわけを友人にたずねると、本作はどうやら「007」になる前の話を描いたものらしい。つまりシリーズ的には最新作だが、話的には昔のボンドの姿を描いたものなのである。なるほど、これらの騙し討ちを経て、あのタフなボンドができあがったのか。

予備知識なさ過ぎでした。

でもまあ、十分映画を堪能できたのでよしとしておこう。

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猫楠
2007-02-19 Mon 22:05
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偉人「南方熊楠」の生涯を描いた水木しげるの長編漫画。

和歌山で生まれたなら、一度は耳にする名前である。

僕自身、小さい頃から彼のエピソードを聞かされて育った。

当時、貧乏だった彼は、百科事典がのどから手が出るほど

欲しかったのだが、とても手が届かず、本屋に通い詰めていた。

彼は、家と本屋との往復を繰り返し、立ち読みして覚えた

百科事典の内容を少しずつ家で書写していた。

どれほどの時間を費やしたかは分からないが、

ついには、全ての内容を書き写し終えたのだという。(祖母談)

事実、彼は19ヶ国の言語を操るほどの頭脳の持ち主で、

英国留学中には、研究成果がネイチャーで紹介される。

しかし、その明晰な頭脳とは裏腹に、破天荒な性格で

奇行が多かったことでも知られる。

漫画は、熊楠の浮世離れした生活をユーモアを交えて活写する。

留学先のイギリスでは、ありえない格好で街を徘徊し、

食べるものにも困るほどの極貧生活にもかかわらず、

何のためらいもなく客を泊めたりする。

こんなスケールの大きな日本人がいたんだなと、同じ日本人で

あることを誇りにさえ感じてしまった。

ところで、江川達也の「日露戦争物語」にも南方熊楠が出てくるが、

やはり水木しげるの描く熊楠のほうがおもしろい。


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東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ
2007-02-19 Mon 10:23
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ 東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ
遥 洋子
筑摩書房



タレント遥洋子が語る、東京大学上野千鶴子ゼミでの奮闘記。
 上野千鶴子は、言葉に対してなんと厳しいのだろう。
あやふやな発言は、彼女によって徹底的に叩きのめされる。議論は格闘技であり、学者は言葉を武器に激しい戦いをくりひろげているのだ。
僕のように、適当なことをちょいちょい吹いて回る人間は、簡単にKOされることだろう。

 日常生活とはあまりにもかけ離れたこの学問の世界で、はじめ大きくうろたえいた遥洋子も、次第にその広大な知の世界の虜となる。読み進むうちに、こちらまで社会学がおもしろそうに思えてくる。


以下、印象に残ったエピソードを抜粋。

 他のゼミ生に追いつこうと、仕事の合間を縫って三年分のゼミの文献を読みきった著者。以下、著者と上野教授のやりとり。

著者「先生、私、三年分の文献読んだんですけど。」
教授「エエッ!」(中略)
   「ほんとに?」
著者「はい、でも困ったことに、もっとわからなくなりました。
    読んでも読んでも答えらしい答えが出ない。これだけ読んだ
    ところで、私は依然なにもわからないままです。」
   「私どうしたらいいんですか、あえて言うならわかったことはただ
    一つ、あれだけ色々あると、物事は一概に言えない、ということ
    くらい。」(中略)
教授「それがわかればしめたものよ!」(p64-65)

教授いわく、物事が一概にいえず、多面的であることを知っていれば、一面的なもののいいようを否定できるのだと。読書とは、ある事柄に対するたくさんの論拠を得る手段であり、読めば読むほど議論の間違いを指摘できるようになるのだ。

知的好奇心をくすぐる数々のエピソードは、もっと勉強したいという思いを一層強くする。僕ももっと広大な知の世界を旅してみたい、そう思わせる久々に当たりの本だった。

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キリング・フィールド
2007-02-18 Sun 23:19
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製作年度 1984年
上映時間 141分
監督 ローランド・ジョフィ
出演 サム・ウォーターストン 、ハイン・S・ニョール 、
    ジョン・マルコヴィッチ 、ジュリアン・サンズ 、
    クレイグ・T・ネルソン 、ビル・パターソン


 圧政下の70年代カンボジアを舞台に、アメリカ人ジャーナリストと現地人助手との友情を描く。
 映画がはじまるやいなや、「クメール」やら「ロンノル」やらなじみのない固有名詞がどんどん飛び交い、物語について行けなくなった。このまま見続けてもおいてけぼりをくうだけだなと判断し、ビデオを一旦停止。視聴前に、ネットでカンボジア内紛に関する基礎知識の収集をおすすめします。

 さて映画は、ロンノル政権後のクメール・ルージュによる圧政を生々しく描いております。その残酷さから眉をひそめることたびたび。兵隊に見つからないように逃げ回るシーンはなかなかスリルがある。

 ちなみに助手役のハイン・S・ニョールは、実際にクメール・ルージュに捕らえられ、四年間の強制労働を強いられた過去をもつ。映画初出演とは思えないほどの自然な演技により、本作によりアカデミー助演男優賞を受賞。その後、人権活動などに携わるが、1996年ロサンゼルスの自宅付近で強盗に射殺された。

ラストシーンの『Imagine』は、感動的である。

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愛と追憶の日々
2007-02-18 Sun 15:10
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製作年度 1983年
上映時間 132分
監督 ジェームズ・L・ブルックス
出演 デブラ・ウィンガー 、シャーリー・マクレーン 、
    ジャック・ニコルソン 、ジョン・リスゴー 、
    ジェフ・ダニエルズ 、リサ・ハート・キャロル


 奔放な母と娘の生活を描くホームドラマの秀作。『渡る世間は鬼ばかり』もしかり、おもしろいホームドラマには毒がつきものである。
 さて、本作も毒気にあふれる物語となっており、娘は浮気、未亡人の母は隣人との恋愛に興じる。
母と娘と婿の関係はとげとげしたままで、長い年月がすぎていく。あるとき、娘が病気になる。娘の元に集まる家族たち、そこでお互いにその存在を認めていく姿は感動的だ。

 デブラ・ウィンガーの熱演もさることながら、シャーリー・マクレーンの男前ぶりも必見である。娘への悪口を聞くと、孫相手でも容赦なく張り倒す。孫に対しても、一人前の人間として向き合う母の姿に、深く感動するとともに、これは見習わなければあかんなと思った。『あなただけ今晩は』では、あんなにかわいい女の子だったのに、なんとも強烈なばあさんに成長したものだ。

 ちなみに、監督のジェームズ・L・ブルックスは、注目の若手監督ウェス・アンダーソンを発掘した才人。そういやあなんとなく、作風が似ているような。
 タイトルだけ見るとお堅いイメージだけど、中身は最高にクールです。みるべし。
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「ガロ」編集長
2007-02-18 Sun 12:06
「ガロ」編集長 「ガロ」編集長
長井 勝一 (1987/09)
筑摩書房

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漫画雑誌「ガロ」編集長の長井勝一氏が語る、戦後漫画の出版史。

おもしろい漫画を見極める長井氏の眼力に感心した。

絵の上手下手にかかわらず、熱意のある若者には、どんどん

漫画を書かせるという長井氏の寛容さが、つげ義春をはじめ

とする「ガロ」の漫画家たちの才能を開花させる土壌を

作り上げたのだろう。

これを財力の面からサポートしていたのが、漫画「サスケ」

で有名な白土三平氏である。

結果、たくさんの個性的な漫画家が「ガロ」から生まれた。

読後、「ガロ」の漫画が読みたくなり、つげ義春、やまだ紫らの

作品を購入。

何者にも縛られない自由な漫画がそこにあった。


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愛と幻想のファシズム
2007-02-18 Sun 00:28
愛と幻想のファシズム〈上〉 愛と幻想のファシズム
村上 龍



とてつもなくスケールの大きな政治経済小説。

狩猟をこよなく愛す主人公、鈴原冬二が、システム化された社会を破壊

すべく、政権奪取を企てる。

システムの破壊を目的として立ち上げた政党が、その規模を大きくする

につれ、自身システム化していく様が皮肉だ。

物語の合間合間に、描かれる世界経済の動向は、村上龍の勉強の成果。

しかし、勉強不足の僕にとっては、それがリアルなのかどうか分から

ず、ふ~んくらいの印象で、あまり興味を持てなかった。

作中の経済に関する専門用語に時代を感じるのは仕方ないとして、

東西対立の図式に支配されている本作の世界観は、さすがに違和感

を感ぜざるを得ない。

大きく興味が惹かれたところは、狩猟のシーンだ。自然に抗う男達の

姿をリアルな筆致で描写し、狩猟の厳しさを伝えている。


村上龍は、きっとシステムに振り回される人間の姿を描きたかった

のだと思う。しかし、そのシステム(政治、経済)自体の描写が過剰

すぎて、当の振り回される人間たちの描写がなおざりにされているよう

に感じた。

不必要な状況描写は、冗長さを生むだけだ。読者は、経済の進展よりも

登場人物の行方を知りたいのだ。

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憲法九条を世界遺産に
2007-02-17 Sat 21:56
憲法九条を世界遺産に 憲法九条を世界遺産に
太田 光、中沢 新一



実は隠れ太田光ファンだ。

歯に衣きせぬ物言いは、観ているだけで爽快で、思わず応援したく

なってしまう。ボケもおもしろいしね。

そこで本書。

注目の憲法第9条について、あの太田光と中沢新一が対談をするってん

だから、これは読まずにはいられない。で、読んでみると期待どおり。

興味深かったのは、太田光の以下の発言。


『憲法九条を世界遺産に』という発想をどういうシチュエーションから

 思いついたのか、との中沢新一からの質問を受けて


 太田「最初は、ジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』(岩波書店)

    を読んだときですね。この本で、日本国憲法ができたとき
     
    の詳しい状況を知って、ああ、この憲法はちょっとやそっとで

    は起こりえない偶然が重なって生まれたのだなと思ったんで
    
    す。まさに突然変異だと。(中略)

    時代の流れからして、日本もアメリカもあの無垢な理想に向か

    い合えたのは、あの瞬間しかなかったんじゃないか」(p54-55)


僕自身は、日本国憲法が欧米のような市民革命を経ずに制定されたた

め、日本国民の民意を反映するためにも、改憲が必要なのではないかと

思っている。

しかし、本書を読んで、ちょっとやそっとの偶然では成立しえないこの

奇跡の憲法を、簡単に改正していいものかと考えられるようになった。

非現実的な憲法が、現実的に国民の平和主義へとつながっているのだと

したら、そうやすやすと改憲してしまう道理はない。

ここらへんは、あまりにも勉強不足なので、これ以上は発言を控えて

おきますが。

ただ、太田光はエンターテイナーなだけあって、「正しい」意見よりも

「おもしろい」意見をよく発言している気がする。議論を聞くのは

楽しいが、果たして現実的な政策決定に生かせるかどうかは疑問の残る

ところではある。だからといって彼の価値が下がるわけではなく、僕は

きっと「サンデー・ジャポン」を見続けることだろう。


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地下鉄のザジ
2007-02-17 Sat 13:21
地下鉄のザジ 地下鉄のザジ
カトリーヌ・ドモンジョ


製作年度 1960年
上映時間 93分
監督 ルイ・マル
出演 カトリーヌ・ドモンジョ 、フィリップ・ノワレ 、カルラ・マルリエ 、
    ユベール・デシャン 、ヴィットリオ・カプリオーリ


『死刑台のエレベータ』、『鬼火』で有名なルイ・マル監督による

スラップスティック・コメディ。

少女ザジが、パリの街でくりひろげる36時間の騒動。

硬そうなイメージとは裏腹の、その演出のはちゃめちゃさに唖然と

させられた。

映画『アメリ』の原点はきっとここにあるに違いない。

監督は、きっとこの映画撮るの楽しかったんだろうな、なんて考えてし

まいました。

ってか、本作と『鬼火』が同じ監督によるものだとはどうしても信じ

られない。ルイ・マルは、真面目な映画職人だと思っていたが、どうや

ら大間違いだったようだ。

走って、飛んで、跳ねて、縦横無尽にパリの街を駆け回るザジの姿は

爽快である。パリの大人たちを振り回すザジ。

『ハリー・ポッター』でもない『ホーム・アローン』でもない

この小さくてユニークなヒロインは、二度と現れることはないだろう。


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アドルフに告ぐ
2007-02-17 Sat 00:42
アドルフに告ぐ (1)





「ヒトラーが実はユダヤ人だった!」

物語は、この秘密によって翻弄される人間達の運命を描く。

ちなみに僕自身も、翻弄されてしまった一人である。

漫画を読み始めてすぐ、慌ててインターネットで「ヒトラー」を検索。

ウィキペディアによると、ヒトラーのユダヤ人説はすでに

否定されているとのこと。

なんだか肩透かし食わされたみたいだったが、それはおいといて、

同作のサスペンスの巧妙さは、さすがといわざるを得ない。

秘密文書をなんとしても隠蔽しようとするゲシュタポ、

文書を公開し弟の無念を晴らそうとする峠草平、

隠蔽した文書が治安維持法に引っかかるとして

追いかける特高。様々な人間の思惑が交錯し、

意外な方向へ物語は進んでいく。

また物語終盤、民族紛争に対する著者の疑問が前面に出、

これまでのいざこざが伏線となっていたことに気づく。

単なるサスペンスとして終わらせないところが、

手塚治虫のすごさだろう。

これをきっかけに、さらに手塚作品を読みたくなった。

次は『火の鳥』だ。


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はじまりはいつも、くもりぞら。
2007-02-16 Fri 21:10
blogの開設。

まずは、今日で終わらないことを願いたい。

ところで今日、国立新美術館へ行ってきました。

「異邦人たちのパリ 1900-2005」という企画展が催されており、

いわゆるエコール・ド・パリと呼ばれる画家たちの作品が展示されて

いた。

最近、『藤田嗣治「異邦人」の生涯』(講談社文庫)を読み始め、今一度

彼の作品を鑑賞しなくては、との思いがあった。

国立新美術館は、開館して間もないためか、平日だというのに多くの

人たちで賑わっていた。

建物の外観が実にユニークで、建築物自体が芸術的。

ああいう、こぎれいなところにいると、自分がなんとなく上品になった

ように錯覚してしまう。

ああいうとこへは、たまにいくべきやね、と思う22歳の初春。

とりあえず藤田氏の作品を生で見ることができてよかった。

しかし、同じ日本人ということで贔屓目に見てしまうためか、数々

の著名画家の作品群の中で、彼の絵は特に異彩を放っているように

見えた。


藤田嗣治「異邦人」の生涯 藤田嗣治「異邦人」の生涯
近藤 史人


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 機械材料加工学Ⅱ 

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kkaazz2000

Author:kkaazz2000
技術系。神奈川在住。

歴史から消えつつあるカルト映画たち。さもありなんという作品から、なぜこれがという作品まで。そんな不可思議な世界にはまりつつある今日この頃です。

 
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