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血を吸うカメラ
2009-08-31 Mon 23:11
peeping_tom.jpg

製作年度 1960年
上映時間 102分
製作 マイケル・パウエル
監督 マイケル・パウエル
脚本 レオ・マークス
出演 カール・ベーム、アンナ・マッセイ、モイラ・シアラ


 巨匠マイケル・パウエルによるカルト・ホラー。一度DVD化されたものの、現在は廃盤となっておりプレミア価格がついております。近くに大型レンタルビデオ店などが無い限り、視聴が困難となっているのが現状です。新宿TSUTAYA万歳。

〈あらすじ〉
 撮影助手を務める青年マークは、女性が恐怖におののく姿をカメラに収めるという異常趣味を持つ。女性たちはナイフを突き立てられる自らの姿を、鏡越しに見せ付けられ、あまりの恐怖に顔を歪めるのであった。次々と女性を殺害するマークであったが、ついに警察に足取りを捕まれ…。

〈感想〉
 賛否両論ありますが、僕は結構好きです。まずは、オープニング。カメラを撮影するマークの目線で、女性が恐怖のために顔を歪める姿を追います。その後、自宅で撮影したフィルムを再生。さきほどと同じ光景がモノクロで繰り返されます。極めてクリエイティブかつ簡潔にマークの異常趣味を説明したシーンだと思います。

 さて、ホラーというジャンルは、観客を怖がらせることが大きな目的です。これは異論が無いかと思います。そのため一般的なホラーは、だいたい、追う側(怪物、犯罪者)と追われる側(被害者)が存在し、主人公が追われる側であることが多いです。追う側が未知なわけですから、サスペンスやスリルが増すという寸法です。一方、本作は、主人公が追う側となっており、一般的なホラーの設定を逆転させたスタイルになっております。このようなスタイルで、成功した作品の一つにウィリアム・ワイラー監督の『コレクター』(65年)が挙げられます。『コレクター』も主人公が追う側というスタイルをとりますが、物語の進展とともに、感情移入の対象が準主役の女性役(終われる側)に移り、観客は主人公に対し恐怖を感じるようになります。現代から観ても、極めて珍しいタイプのホラーです。

 ここで、もう一度本作を観てみましょう。本作も、後半になるにつれて、準主役の女性役の登場頻度が多くなってきます。『コレクター』の成功ポイントに近づきそうです。ところが最後まで、いまいち女性に感情移入ができません。この理由は明白で、主人公があまりにもいい人すぎて、いまいち女性が危機にさらされているように感じられないためでしょう。『コレクター』では、主人公がだんだん悪人の本性をあらわしてくるのです。
 『血を吸うカメラ』は、ホラーという点で未熟ではありますが、きっと『コレクター』のアイデアのヒントになったのだと思います。このような特異なストーリ構造は、現代でこそ省みる必要があり、エポックメイキングと呼ぶにふさわしい作品だなと思いました。
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ホステル
2009-08-18 Tue 00:26
hostel.jpg

製作年度 2005年
上映時間 93分
監督 イーライ・ロス
出演 ジェイ・ヘルナンデス、デレク・リチャードソン、エイゾール・グジョンソン、 バルバラ・ネデルヤコーヴァ、ヤナ・カデラブコーヴァ、ヤン・ヴラサーク、リック・ホフマン、三池崇史


 新世代ホラー映画監督、イーライ・ロスによるサスペンス・ホラー。最近は、過去のホラー映画ばっかりほじくり返して観賞しておりましたが、たまには最近のやつも観ようと、割と評価の高い本作を観てみることにしました。

以下、ネタバレ。

〈あらすじ〉
 ヨーロッパを旅する3人の青年たちは、アムステルダムで知り合った男の話からスロバキアに向かうことにした。当地のホテルで宿泊し、豪遊する三人であったが、一人ずつ行方が分からなくなり・・・。

hostel2.jpg


〈感想〉
 冒頭は、お色気たっぷりの豪遊シーン。今風のやんちゃなアメリカ人青年たち(一人はアイスランド人だが)の姿を描いている。見所は、中盤からの拷問シーンだろう。とはいいつつも、予想に反して血は比較的少なかった気がする。無慈悲な演出をする過去のスプラッタ映画監督ならば、チェーンソーでやたらめったらに切り刻むくらいやったであろう…。とはいえ、この残酷な仕打ちがあるために、後半、パクストンが逃亡するシーンはなお緊張感に溢れる。捕まったらマジでやばいぜ。
 また、拷問に加え、シナリオの意外性にも注目したい。中盤、パクストンが酔ってバーの倉庫に閉じ込められるシーン。次のカットでは、舞台が拷問部屋に転換する。これは、パクストンが捕らえられたな、と思ったら、捕まっているのはもう一人のアメリカ人青年ジョシュであった。パクストンが倉庫に閉じ込められたのは、単なる事故であったのだ。このような定石外しは、きっと監督のホラー映画好きに起因していることだろう。ホラーというジャンルで次の展開を言い当てられることほど、悲しいものはない。

〈余談〉
 イーライ・ロス監督のインタビューを、以下一部引用。

 ロス「(前略)ニューヨーク大学で映画を専攻している奴らときたら、アート系ばっかでさ。エイズだホームレスだ社会問題だって、どいつもこいつも自分はスコセッシかなんかだと思ってる。でもそいつらの持っているビデオは『ポーキーズ』とか『アニマルハウス』なんだよ?どうして自分が観ている種類の映画を撮らないんだ?そう思ったから、オレはマクドナルドで手足が飛んで血がぶちまけられる映画を撮った。(中略)映画学科にはだいたい700人ぐらいの生徒がいたけど、その中で、ちゃんと映画の監督になれたのはオレだけだ。ざまあみろ!って感じだよ!」
(出典:ショック!残酷!切株映画の世界 p101)

 ロス監督の発言は示唆に富んでいる。こぞってアート系映画の製作に励む映画監督志望の学生たち。アート系映画の社会的需要はすでに飽和しているのである。それよりも各々自分がおもしろいと思う映画を製作することにより、ジャンルがばらけて監督デビューの競争率も減るし、観客にもうれしいのではないか。なんてことを、本文を読みながらつらつら考えていました。
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エルゾンビ 死霊騎士団の覚醒
2009-08-12 Wed 02:07
cap094.jpg


製作年度 1971年
上映時間 84分
監督 アマンド・デ・オッソリオ
出演 チェサー・バーナー、ローン・フレミング、ヘレン・ハープ


 アマンド・デ・オッソリオ監督による、ブラインドデッドシリーズ第一作。ゾンビ映画の中では傑作と謳われる本作ですが、レンタルDVDなどで、なかなかお目にかかることができませんでした。これはもう身銭を切らないと一生見ることができないなと判断し、思い切って購入しました。2500円也。ちなみに、このような障害は、ホラー映画ファンに常についてまわる宿命だといえます。オークションで競り落とすなど、やっとのことで視聴できた作品が、とんでもなくつまらないなんてことはザラであります。

以下、一部ネタバレ。

 初見の印象としては、まあまあという感じです。馬で駆けるゾンビのスローモーションシーンは、幻想的で一見の価値ありかもしれません。しかし、それ以外にこれといっておもしろい点は、ありませんでした。ゾンビの襲撃も、甘噛み程度と、地味な感じにとどまっております。不満点を列挙すると、
 (1) ストーリーが凡庸
 (2) 展開が遅い
 (3) 派手なスプラッタなどがない
など容易にあがってきます。

cap093.jpg


 『ゾンビ映画大事典』の著者、伊東美和氏は、作中の①ゾンビが馬に乗って追いかけるシーンと、②ラストでゾンビが街にやってくるシーン、を賞賛しておりました。私的には、それだけで果たして傑作と呼べるのだろうかと疑問が残ります。
 古いホラー映画は、いろんなところで誉めておかないとすぐに廃盤になってしまうので、あんまりけなしたくないのですが、身銭を切った分、若干辛口になってしまいました。うーん、だいぶ期待していたんだけどなあ。

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異邦の騎士
2009-08-11 Tue 03:18
異邦の騎士 (講談社文庫)





 島田荘司による長編ミステリ。吉本新喜劇の内場勝則(関西人にはなじみのある名前)が、島田荘司の大ファンだということから興味を持ち、読んでみました。

 以下、一部ネタバレ。

 記憶を失った主人公(石川敬介)は、高円寺で偶然に出会った良子と二人、ささやかながら幸せな暮らしを始める。敬介は、自らの過去が気になりつつも、今の生活を壊したくないという思いから、積極的に過去を探ろうとはしなかった。そんなとき、ふと立ち寄った占星学教室で、御手洗潔に出会う。

 記憶喪失を扱った物語で、ここまで楽しめたのは初めてかもしれないです。前半は、過去の自分が一体何者なのかを探るミステリとなっており、中盤の日記のあたりでは、手に汗握るクライムノベルとなっています。中盤あたりから、大体オチが読めてきますが、そこはご愛嬌ということで。
作者は、情熱的な方なのだろうと思います。愛とか愛情という言葉が頻出し、主人公はそれに苦悩します。また罪を犯した後の人間の心理も、細かく描けており、全体的に熱い(登場人物の心理に抑揚がある)作品だなという印象です。

 本作の執筆が開始されたのは1979年となっており、島田荘司の事実上の第一作らしいです。その後しばらく、本人からも忘れ去られていたが、1988年に手直しを加え、世に出ることとなったそうです。デビュー前に着手した本作は、若い著者の心情を反映しているためか、登場人物のストレートな心理が特徴的です。きっと、20代くらいの方が読むと共感できる部分が多いのではないかと思います。
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 機械材料加工学Ⅱ 

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プロフィール

kkaazz2000

Author:kkaazz2000
技術系。神奈川在住。

歴史から消えつつあるカルト映画たち。さもありなんという作品から、なぜこれがという作品まで。そんな不可思議な世界にはまりつつある今日この頃です。

 
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