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文学部唯野教授
2007-02-26 Mon 22:19
文学部唯野教授





 文学部に在籍する唯野教授を軸に、世間離れした大学教授たちの生態を描いた小説。本作は、九章の構成となっているが、各章の後半部では、唯野教授が文学批評の講義を行う。

 大学において、助教授から教授に昇格するなどの際には、教授会で教授達の同意が得られなければならない。このような場面では、教授たちへの周到な根回しが必要となり、学内政治が発生する源泉となっている。このようなどろどろとした大学という閉鎖空間の描写は、本作の一つのおもしろさである。しかし、目玉はなんといっても、唯野教授の文芸批評講義である。

 唯野教授は、印象批評からポスト構造主義まで、幅広い文学理論の概要を噛み砕いて語る。文芸批評に対して、たくさんの理論が存在することを知り、文学の奥深さを感じた。

 特に、第9章「ポスト構造主義」の章において

 
 「こうなってくると、このアメリカの脱構築ってやつ、第二講でやった新批評つまりニュークリと同じで、文学テクストを至福の場所みたいに考えてそこへ後退することなんじゃないのかなあ。その通りです。」 (p300)


 との文章が興味深く、たくさんの先人達が色んな理論を構築してきたのだけれど、結局ははじめ考えた理論に辿り着いたという皮肉な結果を表している。←きっと。

 文学の読み解き方がいかに難しいかを知るとともに、文学あるいは小説が何のために存在するのかということを考えるきっかけとなった。このような問いかけを作家自身が、しかも作中で行ったという点は、注目に値する。

 小説に対して人々が求める価値は様々であるが、人々が各人各様の価値を小説に感じるかぎり、小説は存在し続けると僕は思う。


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技術系。神奈川在住。

歴史から消えつつあるカルト映画たち。さもありなんという作品から、なぜこれがという作品まで。そんな不可思議な世界にはまりつつある今日この頃です。

 
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