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清張さんと司馬さん
2007-03-19 Mon 23:02
清張さんと司馬さん





かつて編集者として、松本清張、司馬遼太郎と親交が深かった半藤一利

による、二人の文豪の思い出話を綴った手記。

両氏とも時代小説の巨匠として知られているが、歴史認識や小説の表現

方法には顕著な差異がある、と著者は語る。

松本清張が史実を一つ一つ丹念に描写するのに対し、司馬遼太郎は歴史

を鳥瞰し全体の核を批評する、とのこと。

僕自身は松本清張の作品を読んだことがないのでなんとも言えないが、

司馬遼太郎の作品に対する著者の以下の見解には、とても賛同できる。

  
  司馬さんは歴史のなかで果たし得る個人の力を信じ、

  それを証明するために小説を書いていたのかもしれない。

  合理的な精神をもった先見性のある個人の力によって、  
  
  歴史はその流れを変えることも可能なのだ、といっている

  ように思えます。(p92)


また、司馬遼太郎の歴史観については、少々批判的な発言が

ちらほらあり、


  司馬さんは、戦前の憲法によれば天皇は政治的には「空」である、

  というのです。はたしてそうと割り切ってよいのであろうか、

  と私は首を傾げてしまう。(中略)
  
  『坂の上の雲』にも不思議なくらい明治天皇は出てきません。

  (中略)それでちょくちょく司馬さんとは、天皇論をめぐって

  ぶつかりましたが、なんとなく言い負かされておりました。

  でも、やっぱり少々違うんじゃないか、という感だけは残って

  いました。(p166)


という意見のほか、本文中だけでもいくつかの対立点が語られていた。

ところで個人的には、鎌倉時代以前は今の日本とつながるものはない、

と言い切る司馬遼太郎の歴史観が興味深かった。

ラジカルであるがために批判も多いのだろうが、その独特の歴史観は

とても新鮮で、歴史という学問に躍動を感じさせる。

こういった、両氏の著作に対する意見の他、二人の人間性についても

述べられている。この部分も興味深い。

司馬遼太郎は、口が達者で、面白い話に事欠かない。松本清張は、

膨大な歴史の研究書を綴っていたが、日本の学界からは、認められて

いなかった。などなど。

あまりなじみのなかった二人の作家であるが、その人間性の一端を見、

もっと著作を読んでみたくなった。

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