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クライマーズ・ハイ
2008-07-27 Sun 00:29


横山秀夫による日航墜落事故を題材にした小説。いきなり感想を言うと、最近読んだ中で最もよく出来た小説だった。
著者自身、墜落事故発生当時、群馬県の地方新聞社・上毛新聞に勤めており、大事件を前にした記者の心理がよく描けている。新聞社の社員全員が、大事件を前にして熱くなるわけではなく、『もらい事故』と冷めた目線で眺めるものも少なくない。そんな中、日航全権を任された主人公悠木は、上司とぶつかりあいながらも、日航記事を大きく取上げようと奮闘する。上司も部下も敵にしながら、自分の信念に沿って邁進する姿は、読んでいるものを熱くする。新聞記者の心理をリアルに描くと同時に、悠木という痛快なアンチヒーローをつくりあげるテクニックは、まさにプロフェッショナルと呼ぶにふさわしい。ジャーナリスティックな視点とエンタテイメントが融合された本作のような小説を読むと、やはり作家とは特別な存在なのだなと、思い知らされる。

作品中の舞台の大半は、新聞社のオフィスであるが、家庭における悠木の葛藤も作品に奥行きを与えている。暗い幼少期を送った悠木は、どこか欠落している部分がある。息子を前に、どう接してよいか分からないという悠木の悩みは、おそらくその欠落が起因している。仕事においても家庭においてさえも、安らぐ場所のない悠木だったが、友人・安西の死をきっかけに安西の息子・燐太郎がなついてくる。これをきっかけに悠木は、燐太郎を巻き込んで、息子との壁を壊していこうとする。会社でも家庭でも悩みの尽きない悠木の描写を見、なんとシビアな世界観なのだろうと、読んでて若干へこむこともあった。人生って、やっぱりつらいんだね。

本作の構成は、現在を起点に、過去を回想するというスタイルを取っており、日航墜落事故の臨場感あふれる描写の合間に、現在の悠木の姿が描かれる。難を言えば、ストーリーが盛り上がるところで、突然現在へと場面転換することがあり、リズムが崩れてしまうことが何度かあった。ただ、ラストシーンでは、この構成により過去の伏線がうまく効いており、リズムが崩れるという欠点を差し引いてなお、深い感動を呼んでいる。力作と呼ぶにふさわしい本作は、ドラマ、映画と舞台を変え、熱い人間ドラマを展開しつづけている。
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別窓 小説 コメント:2 トラックバック:0 ∧top | under∨
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この記事のコメント
更新ないよ
更新してないよ。
何か書いてほしいな。
2008-11-16 00:24 | URL | しんご #- 内容変更
きっと唯一の購読者やな、君は笑
もうすぐ更新します!よろしく!
2008-11-21 10:30 | URL | たま #- 内容変更
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Author:kkaazz2000
技術系。神奈川在住。

歴史から消えつつあるカルト映画たち。さもありなんという作品から、なぜこれがという作品まで。そんな不可思議な世界にはまりつつある今日この頃です。

 
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