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ゼイリブ
2009-11-16 Mon 03:29
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製作年度 1988年
上映時間 96分
監督 ジョン・カーペンター
脚本 フランク・アーミテイジ
出演 ロディ・パイパー、メグ・フォスター、キース・デヴィッド、ジョージ・バック・フラワー、ピーター・ジェイソン、レイモン・サン・ジャック、ジェイソン・ロバーズⅢ世


 ジョン・カーペンター監督の社会派ホラーの傑作。米誌エンターテイメント・ウィークリーが発表した、カルト映画傑作25選において、18位にランクインしています。

<あらすじ>
 失業中のナダは、通りすがりの工事現場で仕事にありつく。宿無しのナダであったが、仕事場で出会ったフランクにキャンプ地を紹介してもらう。ナダは、キャンプ地近くの教会で、怪しい連中たちの活動に気づき、観察を始める。ある夜、キャンプ地に武装した警察たちが押しかけ、住民達は無理やり追い出される。翌日、もぬけの殻になった教会を探っていたナダは、サングラスがたくさん入った箱を発見する。サングラスをかけ街に出たナダは・・・。

<感想>
 本作を見るまで、僕はジョン・カーペンター監督の実力を疑っていました。『遊星からの物体X』(1982)は、文句なしの傑作ですが、『ザ・フォッグ』(1980)などを見ていると、敵が、急にバっと現れて驚かせる演出ばかりを多用していたり、登場人物が敵に殺されるシーンではあまりにもオーソドックスな演出をしたりします。
 さて本作、冒頭から貧しい人々の生活を映し、アメリカにおける貧富の差を風刺的に描いております。また、壮大なスケールのこの物語は、なかなか先が読めず、展開が意外でおもしろいです。社会風刺とスケールの大きさ、なんとなくキューブリック作品を彷彿させます。ちなみに小道具のサングラスは、ドラえもん的なB級テイストを醸しているが、きっと確信犯でしょう。
 サングラスをかけたときに見える世界は、現代社会の違和感を鋭く指摘しています。宇宙人は、現実世界でいうところの権力者をあらわしているのでしょうか。知らず知らずのうちに、市民の生活がコントロールされているという恐怖は、現実世界でも当てはまっているような気がします。
 ところで、ジョン・カーペンター監督は、登場人物の生活感を出すのがうまいですね。まるで本当にそこに住んでいるかのようです。それに加え、構図、カメラワーク、そして、極力セリフを排除したシンプルなストーリーテリング。ジョン・カーペンター監督は、映像作家としての基礎的な技術をしっかり身に付けているのだと思います。意外に非ホラー作品においても、力を発揮するのではないかと思ってしまいました。
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ホラー映画 作品名別50音順
2009-09-24 Thu 19:04
あ行 エルゾンビ 死霊騎士団の覚醒 ☆☆☆
    エクスタミネータ ☆☆☆
か行
さ行 シーバース ☆☆☆
    深海からの物体X ☆☆☆
    ゼイリブ ☆☆☆☆☆
た行 血を吸うカメラ ☆☆☆
    デスレース2000 ☆☆☆☆☆
    デモンズ ☆☆☆
    デモンズ2 ☆☆☆
    デモンズ4 ☆☆☆
    デモンズ95 ☆☆☆☆
な行
は行 バタリアン ☆☆☆☆
    バッドテイスト ☆☆☆☆
    フランケンフッカー ☆☆☆
    ブレインデッド ☆☆☆☆☆
    ホステル ☆☆☆
    フロム・ビヨンド ☆☆☆☆
ま行 ミート・ザ・フィーブルズ/怒りのヒポポタマス ☆☆☆☆
や行 
ら行
わ行
英数


☆は主観的な評価です。
最高評価:☆☆☆☆☆
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フランケンフッカー
2009-09-24 Thu 01:09
ff.jpg

製作年度 1990年
上映時間 85分
製作総指揮 ジェームズ・グリッケンハウス
監督 フランク・ヘネンロッター
脚本 フランク・ヘネンロッター
出演 ジェームズ・ロリンズ、パティ・マレン 、シャーリー・ストーラー、シャーロット・ヘルムカンプ、ルイーズ・ラサ


 映画『バスケットケース』(1982年)をヒットさせたフランク・ヘネンロッター監督の意欲作。ホラーの古典『フランケンシュタイン』の現代版といったところだろう。製作は、『エクスタミネータ』の監督、ジェームズ・グリッケンハウス。ちなみにフッカー(hooker)は「娼婦」という意味。

<あらすじ>
 自称「生物電気工学技師」のジェフリーは、婚約者であるエリザベスの父の誕生日に、自作の芝刈り機をプレゼントする。ところが、芝刈り機を作動させようとしたエリザベスは、誤って機械にまきこまれ肉片と化す。婚約者の死に悲観するジェフリーは、科学の力でエリザベスを甦らそうとするが・・・。

<感想>
 こんな映像観たことない。娼婦達が次々と爆発するシーンだ。おそらくマネキンを使っているのだろうが、血の代わりに火花が散る人体破壊描写は新鮮だ。特殊メイクの安っぽさは否めないが、良くも悪くも(いや、ここは良いと言い切ろう)常識では考えられないような光景が繰り広げられる。
 とりあえず、つっこみどころは満載である。ばらばらになった娼婦の脚を、ジェフリーが軽々と持ち上げるシーンは、さすがにもうちょっと演技しろよと言いたくなる。それじゃあ明らかにマネキンだろ。また、エリザベスを復活させるにあたって、かなり複雑な回路設計図を机一杯に広げていたが、割と簡単に人造人間を作っていました。(雷を受けて、はい出来上がりという描写は、オリジナルの『フランケンシュタイン』から、進化していない。)
 コメディ仕立てのストーリーは、悪くないが、あと一歩といったところ。街へ出てフランケンフッカーが暴走するという展開は、『フランケンシュタイン』そのもの。大体予想どおり。人造人間としての複雑な心理もなし。もうひと頑張りあれば、語り継がれるカルト作品になったに違いない。

<余談>
 ライター/翻訳家の小林真里氏のブログに、監督の家を訪問したときの記事が掲載されておりました。ご参考までに。

【100%】過剰なライター/翻訳家 小林真里の rock n' roll days
http://ameblo.jp/masato-ny/entry-10280737406.html
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血を吸うカメラ
2009-08-31 Mon 23:11
peeping_tom.jpg

製作年度 1960年
上映時間 102分
製作 マイケル・パウエル
監督 マイケル・パウエル
脚本 レオ・マークス
出演 カール・ベーム、アンナ・マッセイ、モイラ・シアラ


 巨匠マイケル・パウエルによるカルト・ホラー。一度DVD化されたものの、現在は廃盤となっておりプレミア価格がついております。近くに大型レンタルビデオ店などが無い限り、視聴が困難となっているのが現状です。新宿TSUTAYA万歳。

〈あらすじ〉
 撮影助手を務める青年マークは、女性が恐怖におののく姿をカメラに収めるという異常趣味を持つ。女性たちはナイフを突き立てられる自らの姿を、鏡越しに見せ付けられ、あまりの恐怖に顔を歪めるのであった。次々と女性を殺害するマークであったが、ついに警察に足取りを捕まれ…。

〈感想〉
 賛否両論ありますが、僕は結構好きです。まずは、オープニング。カメラを撮影するマークの目線で、女性が恐怖のために顔を歪める姿を追います。その後、自宅で撮影したフィルムを再生。さきほどと同じ光景がモノクロで繰り返されます。極めてクリエイティブかつ簡潔にマークの異常趣味を説明したシーンだと思います。

 さて、ホラーというジャンルは、観客を怖がらせることが大きな目的です。これは異論が無いかと思います。そのため一般的なホラーは、だいたい、追う側(怪物、犯罪者)と追われる側(被害者)が存在し、主人公が追われる側であることが多いです。追う側が未知なわけですから、サスペンスやスリルが増すという寸法です。一方、本作は、主人公が追う側となっており、一般的なホラーの設定を逆転させたスタイルになっております。このようなスタイルで、成功した作品の一つにウィリアム・ワイラー監督の『コレクター』(65年)が挙げられます。『コレクター』も主人公が追う側というスタイルをとりますが、物語の進展とともに、感情移入の対象が準主役の女性役(終われる側)に移り、観客は主人公に対し恐怖を感じるようになります。現代から観ても、極めて珍しいタイプのホラーです。

 ここで、もう一度本作を観てみましょう。本作も、後半になるにつれて、準主役の女性役の登場頻度が多くなってきます。『コレクター』の成功ポイントに近づきそうです。ところが最後まで、いまいち女性に感情移入ができません。この理由は明白で、主人公があまりにもいい人すぎて、いまいち女性が危機にさらされているように感じられないためでしょう。『コレクター』では、主人公がだんだん悪人の本性をあらわしてくるのです。
 『血を吸うカメラ』は、ホラーという点で未熟ではありますが、きっと『コレクター』のアイデアのヒントになったのだと思います。このような特異なストーリ構造は、現代でこそ省みる必要があり、エポックメイキングと呼ぶにふさわしい作品だなと思いました。
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ホステル
2009-08-18 Tue 00:26
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製作年度 2005年
上映時間 93分
監督 イーライ・ロス
出演 ジェイ・ヘルナンデス、デレク・リチャードソン、エイゾール・グジョンソン、 バルバラ・ネデルヤコーヴァ、ヤナ・カデラブコーヴァ、ヤン・ヴラサーク、リック・ホフマン、三池崇史


 新世代ホラー映画監督、イーライ・ロスによるサスペンス・ホラー。最近は、過去のホラー映画ばっかりほじくり返して観賞しておりましたが、たまには最近のやつも観ようと、割と評価の高い本作を観てみることにしました。

以下、ネタバレ。

〈あらすじ〉
 ヨーロッパを旅する3人の青年たちは、アムステルダムで知り合った男の話からスロバキアに向かうことにした。当地のホテルで宿泊し、豪遊する三人であったが、一人ずつ行方が分からなくなり・・・。

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〈感想〉
 冒頭は、お色気たっぷりの豪遊シーン。今風のやんちゃなアメリカ人青年たち(一人はアイスランド人だが)の姿を描いている。見所は、中盤からの拷問シーンだろう。とはいいつつも、予想に反して血は比較的少なかった気がする。無慈悲な演出をする過去のスプラッタ映画監督ならば、チェーンソーでやたらめったらに切り刻むくらいやったであろう…。とはいえ、この残酷な仕打ちがあるために、後半、パクストンが逃亡するシーンはなお緊張感に溢れる。捕まったらマジでやばいぜ。
 また、拷問に加え、シナリオの意外性にも注目したい。中盤、パクストンが酔ってバーの倉庫に閉じ込められるシーン。次のカットでは、舞台が拷問部屋に転換する。これは、パクストンが捕らえられたな、と思ったら、捕まっているのはもう一人のアメリカ人青年ジョシュであった。パクストンが倉庫に閉じ込められたのは、単なる事故であったのだ。このような定石外しは、きっと監督のホラー映画好きに起因していることだろう。ホラーというジャンルで次の展開を言い当てられることほど、悲しいものはない。

〈余談〉
 イーライ・ロス監督のインタビューを、以下一部引用。

 ロス「(前略)ニューヨーク大学で映画を専攻している奴らときたら、アート系ばっかでさ。エイズだホームレスだ社会問題だって、どいつもこいつも自分はスコセッシかなんかだと思ってる。でもそいつらの持っているビデオは『ポーキーズ』とか『アニマルハウス』なんだよ?どうして自分が観ている種類の映画を撮らないんだ?そう思ったから、オレはマクドナルドで手足が飛んで血がぶちまけられる映画を撮った。(中略)映画学科にはだいたい700人ぐらいの生徒がいたけど、その中で、ちゃんと映画の監督になれたのはオレだけだ。ざまあみろ!って感じだよ!」
(出典:ショック!残酷!切株映画の世界 p101)

 ロス監督の発言は示唆に富んでいる。こぞってアート系映画の製作に励む映画監督志望の学生たち。アート系映画の社会的需要はすでに飽和しているのである。それよりも各々自分がおもしろいと思う映画を製作することにより、ジャンルがばらけて監督デビューの競争率も減るし、観客にもうれしいのではないか。なんてことを、本文を読みながらつらつら考えていました。
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エルゾンビ 死霊騎士団の覚醒
2009-08-12 Wed 02:07
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製作年度 1971年
上映時間 84分
監督 アマンド・デ・オッソリオ
出演 チェサー・バーナー、ローン・フレミング、ヘレン・ハープ


 アマンド・デ・オッソリオ監督による、ブラインドデッドシリーズ第一作。ゾンビ映画の中では傑作と謳われる本作ですが、レンタルDVDなどで、なかなかお目にかかることができませんでした。これはもう身銭を切らないと一生見ることができないなと判断し、思い切って購入しました。2500円也。ちなみに、このような障害は、ホラー映画ファンに常についてまわる宿命だといえます。オークションで競り落とすなど、やっとのことで視聴できた作品が、とんでもなくつまらないなんてことはザラであります。

以下、一部ネタバレ。

 初見の印象としては、まあまあという感じです。馬で駆けるゾンビのスローモーションシーンは、幻想的で一見の価値ありかもしれません。しかし、それ以外にこれといっておもしろい点は、ありませんでした。ゾンビの襲撃も、甘噛み程度と、地味な感じにとどまっております。不満点を列挙すると、
 (1) ストーリーが凡庸
 (2) 展開が遅い
 (3) 派手なスプラッタなどがない
など容易にあがってきます。

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 『ゾンビ映画大事典』の著者、伊東美和氏は、作中の①ゾンビが馬に乗って追いかけるシーンと、②ラストでゾンビが街にやってくるシーン、を賞賛しておりました。私的には、それだけで果たして傑作と呼べるのだろうかと疑問が残ります。
 古いホラー映画は、いろんなところで誉めておかないとすぐに廃盤になってしまうので、あんまりけなしたくないのですが、身銭を切った分、若干辛口になってしまいました。うーん、だいぶ期待していたんだけどなあ。

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異邦の騎士
2009-08-11 Tue 03:18
異邦の騎士 (講談社文庫)





 島田荘司による長編ミステリ。吉本新喜劇の内場勝則(関西人にはなじみのある名前)が、島田荘司の大ファンだということから興味を持ち、読んでみました。

 以下、一部ネタバレ。

 記憶を失った主人公(石川敬介)は、高円寺で偶然に出会った良子と二人、ささやかながら幸せな暮らしを始める。敬介は、自らの過去が気になりつつも、今の生活を壊したくないという思いから、積極的に過去を探ろうとはしなかった。そんなとき、ふと立ち寄った占星学教室で、御手洗潔に出会う。

 記憶喪失を扱った物語で、ここまで楽しめたのは初めてかもしれないです。前半は、過去の自分が一体何者なのかを探るミステリとなっており、中盤の日記のあたりでは、手に汗握るクライムノベルとなっています。中盤あたりから、大体オチが読めてきますが、そこはご愛嬌ということで。
作者は、情熱的な方なのだろうと思います。愛とか愛情という言葉が頻出し、主人公はそれに苦悩します。また罪を犯した後の人間の心理も、細かく描けており、全体的に熱い(登場人物の心理に抑揚がある)作品だなという印象です。

 本作の執筆が開始されたのは1979年となっており、島田荘司の事実上の第一作らしいです。その後しばらく、本人からも忘れ去られていたが、1988年に手直しを加え、世に出ることとなったそうです。デビュー前に着手した本作は、若い著者の心情を反映しているためか、登場人物のストレートな心理が特徴的です。きっと、20代くらいの方が読むと共感できる部分が多いのではないかと思います。
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夏への扉
2009-05-09 Sat 10:51
夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))



 SF小説の巨匠、ロバート・A・ハインラインによるタイムトラベルノベル(←語呂がよい造語)。ハインラインの作品の中でも、特に人気が高いのが本作らしいです。
 SF小説は、高校生のとき読んだフィリップ・K・ディック以来です。

 以下、感想です。(もちろんネタバレの)
タイムトラベルを題材にした本作は、作者の優しげな文章により、子供から大人まで楽しめるエンタテイメントとなっています。
 僕の中でもっとも興味深かったのは、物語を通じて主人公ダンが技術者であることの誇りを捨てなかった点です。ダンみずから会社を興した際にも、共同経営者のマイルズに経営をまかせ、自分は発明に情熱を注ぐ。世事にとらわれず新発明にむかって邁進する姿はなかなかかっこいいではありませんか。ハインラインは、技術士官として海軍に所属していたそうですが、きっと工学の素養があったのだと思います。製図を行うシーンや製品の特許についてリアリティのある描写がなされていました。
 タイムトラベルや冷凍睡眠を使った本作のストーリ展開は、日本の漫画やアニメで大量生産されているせいか、わりと想像できる範囲に収まっているような気がしました。そんなわけで、僕の中では、時空を超えることよりも、ダンの会社がどんどん大きくなっていく過程や、ベルやマイルズの人間模様に面白みを感じました。
 SF小説というと、ハードボイルドで敷居が高そうな作品を想像してしまう僕でしたが、こんな温かみのある作品もあるのだなと思いました。小さい頃には、なかなかこのような本に出会う機会は少ないような気もしますが、とりあえず身近にいる子供には宣伝しておきたいと思います。
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ナチョ・リブレ 覆面の神様
2009-03-02 Mon 02:12
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製作年度 2006年
上映時間 92分
監督 ジャレッド・ヘス
脚本 ジャレッド・ヘス 、ジェルーシャ・ヘス 、マイク・ホワイト
出演 ジャック・ブラック、エクトル・ヒメネス、アナ・デ・ラ・レゲラ、
    リチャード・モントーヤ、ピーター・ストーメア、
    セサール・ゴンサレス、ダリウス・ロセ、モイセス・アリアス、
    トロイ・ジェンティル


またまた長い間放置していました。パソコンに向かって文章を練る作業は、なかなかにパワーがいるもので、ついつい怠ってしまいがちです。結局、本年度更新した回数は、指を折って数えられるほどでしたね。

さて、『ナチョ・リブレ』。名優ジャック・ブラック主演のコメディです。主役の存在感が、映画の魅力を一層引き立てている佳作だと思います。僕的には、すごく好きです、この映画。

以下、ネタバレ。

修道士のイグナシオ(通称ナチョ)は、レスラーに憧れ、ヤセ(スティーブン)とともに密かに試合に出場する。試合を重ねるも、連敗につぐ連敗の二人であったが、ついに王者ラムセスに挑戦するチャンスをつかみ・・・。

ストーリーは、割と普通かと。何がおもしろいかって、脇役の方々があまりにも「素」で笑えます。孤児院の子供達、ヤセ、全然表情ないです。でもたまに、さらっと発するセリフが泣かせます。

朝食のまずさを神父になじられ、教会をあとにするナチョに対し、

孤児「料理、おいしいよ。」

↑なんかグッときました。孤児はやっぱり素。

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本作は、おそらく、他のスポ根映画と区別するためか、まじめに訓練するシーンなどが省かれています。『ロッキー』やたいていのスポ根ものは、主役が訓練する姿のシークエンスを流し、段々成長していく様子が描かれます。こういった定石を、あえてはずすことが、コメディの作法なのでしょう。
王者ラムセスのキャラがいまいち立っていなかったのが若干残念ですが、ハートウォーミングな本作は、細かいつっこみに耐え切れるぐらいのおもしろさとパワーを兼ね備えていました。

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系列
2008-12-11 Thu 01:06
系列 (角川文庫)


 来年から自動車会社に勤めるということもあり、業界研究を兼ねて読んでみました。経済小説の大家、清水一行氏の作品を読むのは、今回が初めて。
 さて、本作は自動車部品メーカの社長・浜岡茂哉とその息子・祥吾が、自動車メーカからの理不尽な要求に対抗する姿を描いたものです。自動車メーカと部品メーカ、いずれも独立した企業だけれども、その収益構造のために、一般的に部品メーカの立場のほうが弱いといわれています。作中の大成照明器(部品メーカ)も例にもれず弱い立場にたたされています。大成は東京自動車(自動車メーカ)に株式をにぎられているものの、21%と経営権を奪われるほどの保有数には至っていない。ところが大成は、全収益のうち50%超を東自車との取引に依存しており、その経営体質のネックをつかれ、大成内の人事についてまで東自車から横槍を入れられる。東自車のゆきすぎる内政干渉については、ぜひとも読んで確かめてほしいです。かなりの誇張はありそうですが。ちなみに東自車は、日産自動車がモデルになっているそうです。

 以下、ネタバレ、および主観的な感想になります。

 完成車メーカのサプライヤ叩きは、確かに自動車業界の闇の一つであると思いますが、あまりにもその点に注力しすぎていて、肝心の自動車の話しがほとんど出てきませんでした。そのためかどうかは分かりませんが、読者を飽きさせないように、息子・祥吾の恋愛話をサイドストーリとして登場させるなどの工夫が見られます。蛇足とまでは言いませんが、本編とはあまり関係がないような気がして少し残念でした。
 作品後半、祥吾が大成内の経営改革をスタートさせるくだりは、すごくワクワクします。祥吾によって大成の独立が達成され、ハッピーエンドで幕が閉じるのかと思っていたけど、残念ながら内部の裏切りにより数ページほどで経営改革はストップしてしまいます。経営改革によるサクセスストーリを展開させることもできたと思いますが、きっと作者の意図で、徹頭徹尾、大成がいじめられるシーンが続きます。
 清水一行氏は、小説家でありつつ、ジャーナリストの精神を持っているのだと思います。大成照明器の社員のみじめな描かれ方は、社会に対する批判を喚起します。エンタテイメントよりもジャーナリズムに比重を置いたことが、本作の成り立ちだといえるでしょう。

 最後に、自動車業界を描いた小説を読むなら、開発現場における葛藤を描いた作品を読んでみたいと思いました。権力闘争や組織を描いた作品は、わりとありふれているような気がします。ぜひとも日本の技術力を小説にしてもらいたいものです。←『系列』のテーマ全否定、身も蓋も無いね笑

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プロフィール

kkaazz2000

Author:kkaazz2000
技術系。神奈川在住。

歴史から消えつつあるカルト映画たち。さもありなんという作品から、なぜこれがという作品まで。そんな不可思議な世界にはまりつつある今日この頃です。

 
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